Case Study 1

MOVIN'153

ウィーンにおける珠玉の建築26件を掲載。海外撮影&コーディネート術あれこれ。

1.特集都市が決まるまで

前号までのパリ、ニューヨーク、ロンドンという展開を受け、バルセロナ、ベルリン、ウィーンの3都市をピックアップ。納入実績を調査した結果、まずバルセロナが脱落。スペインにおけるマドリッドとバルセロナの対立は思ったより根深いらしく、マドリッドでは数多くの実績を誇るOTISもバルセロナでは皆無に近い状態。ガウディなど、エレベーターの登場とほぼ時を同じくして活躍した建築家が多数いるだけに残念。ベルリンとウィーンは、古いものから新しいものまでバランス的にまずまずの納入実績。しかし、ウィーンにおいて建築家ならだれでも憧れた、「マジョリカハウス」「カールスプラッツ・ステーション」など、オットー・ワグナーの数々の傑作建築、および「アルベルティーナ」「メディアタワー」など現代建築のカリスマ、ハンス・ホラインの最新建築にOTISがフィーチャーされていることを知り、迷わずウィーンを選定することにした。

2.撮影するまで

撮影時期は、国内納入物件の撮影が一段落するゴールデンウィークをからめた20日間に設定。ウィーン在住のベテラン・コーディネーターに撮影許可、およびハンス・ホライン氏へのインタビュー許可を依頼し、着々と準備を進める。撮影物件数の目標は20物件、準備期間は約2ヶ月。公共物件、商業物件、住宅をとりまぜて、20件の撮影を実質10日間ほどの間にスケジューリングするのは至難の業。許可がおりない物件をあの手この手で口説き落としながら、どうしてもあきらめざるを得なかった物件の代替候補を逐一追加していく地味な作業の繰り返し。

3.いよいよ撮影

最初の5日間ほどはまずロケハン。撮影許可を取るためには撮影場所と時間を特定しなければならないところが多く、そのために撮影候補物件を駆け足で見て回る。外観はどの方角を向いていてそれを撮るためには何時頃が最適か。狙った空間に効果的な光が差し込むためには、いつ撮影すればいいのか。おおまかな撮影許可だけを取っておいて、時間と場所を特定した上で最終的なスケジュールに落とし込んでいくのだ。その合間に、表紙や扉などに使用する写真を撮るために、ウィーン市内を一望に見渡せる場所などを転々と。

加えて今回のネックは、ハンス・ホライン氏へのインタビュー。世界を飛び回る多忙な身なため、こちらも許可は取れたもののスケジュールが一向に確定しないという状態。格安チケットでの渡航のため、滞在期間中に確定しなければ再度仕切り直しという事態も起こりえる。やきもきするも何とか滞在最終日曜日の午前中に事務所に来いとの連絡が。
やっと会えて感動!

最終的な撮影物件は下記の通り

1.アルベルティーナ 2.オーストリア・クレディットアンシュタルト銀行・顧客センター 3.オーストリア・クレディットアンシュタルト銀行・ロースホール 4.アードラー・ウント・アーマイゼ・ビル 5.フェルンヴェルメ・ウィーン 6.フロリドタワー 7.ガソメーター A/B/E 8.王宮コングレスセンター&レドゥ−テンホール 9.ホ−フハウス ノイエ ドナウ 10.ホテル・インターコンチネンタル・ウィーン 11.ウィーン美術史博物館 12.マジョリカハウス 13.ミシェックタワー 14.メディアタワー 15.アムホ−フ広場地下駐車場 16.ラディソンSAS・パレ・ホテル 17.ウィーン市庁舎 18.ウィーン市庁舎別館・ウィーン市公衆衛生、健康保険局 19.ストラバッグ・タワー 20.産業技術博物館 21.トラットナーホ−フ 22.国連都市 23.カールスプラッツ駅 24.シュタットパルク駅 25.シュトゥベント−ル駅 26.シュピッテラウ駅

2.オーストリア・クレディット
アンシュタルト銀行
7.ガソメーター 17.ウィーン市庁舎

12.マジョリカハウス 21.トラットナーホ−フ 24.シュタットパルク駅

4.レイアウト、原稿制作、そして発行へ

日本に戻ってから原稿制作、そしてデザインレイアウト作業に。発行は7月末日の予定なので、約1ヶ月間で、海外約20物件、国内約60物件をとりまとめ。関係各スタッフのがんばりでこんなページができあがりました。

目次 11.ウィーン美術史博物館

8.王宮コングレスセンター&
  レドゥ−テンホール
7.ガソメーター 22.国連都市